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ガの翅は匂いも嗅ぐ。「飛ぶだけ」の器官ではなかった
タバコスズメガの翅は、飛ぶためだけの面ではなかった。2種類の揮発性物質に触れると、翅から電気信号が記録された。
ただし翅の嗅覚が産卵場所を変えるとはまだ証明されておらず、すべてのガに同じ能力があるという意味でもない。
翅はどんな匂いを捉えたのか
反応したのはピロリジンとピペリジンだった。どちらも揮発性アミンで、人には腐った魚のように感じられることがある。
これらはナス科植物に特徴的なアルカロイドと関係する。タバコスズメガはナス科を産卵場所としてよく選ぶ。
翅の縁に本当に鼻があるのか
電子顕微鏡では、各翅の縁に平均21〜32本の感覚毛が見つかった。毛には空気中の分子が入れる小さな穴があった。
同じ構造には接触や動きを感じる特徴もあった。1本の毛が気流を感じながら化学物質も調べている可能性がある。

匂いへの反応をどう確かめたのか
研究チームは切り離した翅に複数の匂いを当て、電気活動を記録した。明確に反応したのはピロリジンとピペリジンだけだった。
翅の組織からは味覚と嗅覚に関わる遺伝子も見つかった。タンパク質モデルは、2分子が入れる候補受容体を示した。
触角があるのに、なぜ翅でも嗅ぐのか
主な鼻が触角であることは変わらない。翅は広い表面で追加情報を集める補助センサーと考えられる。
植物の匂いを翅で感じれば、着地や産卵の前に周囲を確認する助けになるかもしれない。ただし行動上の役割は仮説だ。
確認済みと未確認の境目
感覚毛の穴、関連遺伝子、2種類の匂いへの電気反応は直接確認された。どの受容体が働くか、産卵選択が変わるかは未証明だ。
対象はタバコスズメガ1種だけだった。他のガやチョウの翅も嗅げるのか、種ごとの実験が必要になる。